キカイダーの漫画

原作とはまた違った意味で

キカイダーの人気は底知れぬ物があり、様々なメディアミックス展開がなされています。1970年代当時からそれまでになかった難解なテーマが元になった世界観に、見ていた人々にも問題提起するようなメッセージ性には奥深い物があったと感じるだろう。だからこその人気であり、40数年経過した今でも根強いファンが多くいるのも納得だ。但し、特撮版で放送された内容以上にかなり問題を掘り下げられている、ここまで悩める主人公がいるかという程の苦悩が描かれているのが漫画版の『人造人間キカイダー』でもある。

まず相違点として、主人公たるキカイダーの人間年齢によく似た部分が挙げられます。特撮ではキカイダーことジローは『20代の青年』となっているのに対して、漫画版では『10代の少年』という点だけで苦悩するにしてもその度合が計り知れません。おまけに当時の漫画はやり過ぎという表現にも似合う部分が挙げられ、おまけに石ノ森章太郎先生が執筆して仕立てあげたとなれば、話の世界観が複雑になるのも理解できるはずだ。

その他の見た目などはよく似ているものの、自身がアンドロイドだという点がネックになり、ヒロインに対して好意を持ってもそれが叶うことのないものだとする考えで迷いが出たりと、キカイダーがより人間という存在に悩まされる世界観も特徴的だ。実写特撮でも大分葛藤していますが、漫画版ではそれに拍車をかけて悩み悩む姿が見られるので、人によっては見ていてしんどいと感じるかもしれません。ただ現在までに語られる名作として評判なのも事実なので、機会があれば見ておきたい作品でもある。

人造人間に憧れるあなたへ

より重くなる世界観

漫画版とだけあってよりダークな世界観が特徴の今作ですが、分類的には児童教育に優良な作品コンテンツであるとされています。優良、果たして本当にそう言えるのでしょうか。度々見られる過激な描写も相まり、作品内で見られる矛盾点が強調されているとしか思えない辺り、とても児童文学として見るには難しい作品だ。

この当時の石ノ森章太郎先生にしても手塚治虫先生にしても、そして永井豪先生にしても、内容が度々強烈だと感じることが多い。作品をしっかりと見たのは高校生で、学校に推奨される図書として図書室に置かれていたのでよく見ていたものだ。たまに友人たちと貸す借りるを繰り返したほどだが、とても作品の世界観が子供の良い影響を与えるとは思えなかったものです。面白いことには面白いのですが、何気に描かれる人が死ぬ場面などは現代のホラー作品にも劣らない描写が待っています。それもあってか、最初見たときに正直圧倒された部分もあったが、『怖い』とも感じた。

キカイダーにしても例外ではない、人間の本質的な部分をまざまざと映しだした内容となっていて、しかも善悪に苦しむヒーローという設定には圧倒される。『正義』と呼称される存在は揺らいではならない、けれどアンドロイドたるキカイダーだからこそ、問題がより深いものとなるのかもしれません。

特撮によく似た最後

そして今作のラストは特撮、初期に放送されたものとよく似た結末を迎えます。最終的に悪の組織であり、ほとんど関係なかったはずの関係者を助けだした後、キカイダーは善心と悪心に苛まれながら立ち去っていきます。一つはっきり言えるのが、特撮にしても漫画にしても、どちらのキカイダーも迎える最期はあまり見せられるものではないかもしれません。正義と悪という天秤に悩み続け、その果てに待っている結末ほど、考えたくないものだ。自分のしていることは正しいとしても、正しくはないと糾弾する存在も必ず出てくるでしょう。

キカイダーの良心回路とは、そうした人間の心における矛盾と葛藤を繰り返しながら、答えを導こうとする感情に沿っていると見ている。現実の社会でそうした心をもったロボットを作り出すというのが、どれほどの大事になるのかと思うと、議論されるべき案といえるでしょう。

ロボット最高!

掘り下げられればられるほど

完全無欠なロボットであるべきだ、そう判断するREBOOTでの在り方は否定されるべき要素ではないでしょう。心を持たせることがそれだけの脅威となり、最終的に機械が人間に対して反抗する未来が来るのではないかと。作品は違いますが、往年のハリウッド映画に見られるロボットの脅威についても議論する事が出来る作品となっています。

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